攻めと守り

キャリアにしても人生にしても、そして資産運用にしても、攻めと守りのバランスが重要である。

 

しかし、一般的には、攻めよりも守りのほうが難しいし、攻めよりも守りのほうが苦手な人が多いと思う。

 

資産運用に例えると、最近の日本の株価はアベノミクス効果で上昇基調にあった。上昇基調にあるとき場合は、攻めに出ればよい。つまり、どんどん日本株を買っていけばよかった。

 

どんどん日本株を買っていくということは、安全資産である現金を、リスク資産である株式に変えることである。だが、リスクはあるといっても、上昇基調なので、あえてリスクを取る、つまり攻めるのである。

 

しかし、上昇はいつかはとまり、下降に転じる。昼は夜になり、夏は冬になる。極まれば転ずるのが世の常である。

 

つまり、上昇基調にある日本株も、いつかは下降トレンドとなる。そのときに必要なのが「守り」である。つまり、株を売って現金に変えることによって、資産価格の目減りを早めに防ぐのが守りの姿勢である。

 

もちろん、どこが下降トレンドの始まりかは定かではない。そこが難しく、実際には、そこで判断を誤り、下降トレンドにつかまってしまう場合が多いと思われる。

 

下降トレンドは比較的足が早いことが多く、気がついたらかなり価格が下がってしまって損切りするのも躊躇する。もしかしたら値を戻してくれるのではないかと淡い期待で売るのを延期し、さらに価格が下がる。これを繰り返し、とうとう売れないまま資産価値を大幅に毀損し、「塩漬け」になってしまう。

 

これが、「攻めは得意で守りは苦手」ということの資産運用での例である。私達は、攻めだけでなく、守りにも強くならなくてはならない。