受験勉強で大切なこと

大学入試でいわゆる難関校、特に国立の難関校の問題を少しだけ見て感じることは、いわゆる受験勉強では解けないということだ。入試問題のテクニックを真面目に勉強する、そういう人には来てほしくないというようにも読み取れる。

 

英、数、国でいうと、特に英語と国語はそれがいえる。では、合格するために必要なのは何か。それは、一言でいえば「教養」である。教科書的な知識を知っているかということではなく、文化、社会、経済、科学、哲学などについての広範な知識と理解を有しているかということである。

 

英語も国語も、語学力を見ているという点は確かにあるが、それ以上に問題を解くうえで重要なのが、先ほど言ったような教養に関する知識なのである。そのような知識があったほうが、英語日本語にかかわらず、圧倒的に長文読解が楽なのである。長文問題で出てくるトピック自体に精通していれば、趣旨はすぐに理解できるし、わからない単語などがあっても類推できる。解答時間が限られた試験なのだから、それが得点差に大きく影響するというわけだ。

 

ここで重要なのが、文化、社会、経済、科学、哲学などの教養的な分野の中身を「知っている」ことではなく、「理解している」ということだ。知っていると理解していることの違いは、知っているだけでは応用がきかないが、理解していれば、応用ができるということだ。

 

例えば、いくばくかの現代思想を「理解」していれば、国語の長文を読んだときに、「これは○○の思想が背景にあるな」ということがわかる。それがわかれば、筆者の思考様式がわかり、筆者の意図がわかる。ひいては、その意図がわかっているかを解答させようとする出題者の意図もわかるということなのである。「ニーチェは○○と言った」というような「知識」だけでは何の役にも立たないことはおわかりだろう。

 

些細な雑感ではあるが、このことから、高校時代にどのような生活をすればよいのかの何らかのヒントが得られるだろう。