AI・ロボット+シェアリングエコノミー=新たな社会

AI・ロボットとシェアリングエコノミーは、どうも別々に議論されているようである。しかし、この2つを一緒に見れば、将来の新しい社会が具体的にイメージできる。

 

まず、よく聞く意見として、AI・ロボットは人々の仕事を奪うとして、恐怖感をあおるようなものがある。しかし、よく考えるとこれはおかしい。AI・ロボットが人間がやるべき仕事をやってくれるのであれば、私たちはどんどん楽になるはずではないか。

 

私たち人間が行ってる仕事の半分をAIやロボットがやってくれるならば、単純に考えて、いまの半分の仕事で同じ生活水準が保てるはずだ。しかし、そうならないのには理由がある。それは現在の社会経済システムの問題だ。

 

少なくなった仕事をみんなでシェアすればよいのに、なぜか少なくなった仕事の奪い合いになって、勝ち組と負け組の間で経済格差がどんどん開いてしまうというわけである。つまり、せっかく全体としての富が増えても、その分配がゼロサムゲームになってしまい、豊かな人と貧しい人というように2極化してしまうわけである。これは、現在のモノやコトの所有を基礎とする資本主義経済が理由である。

 

そこで登場するのがシェアリング・エコノミーである。これは人々がモノやコトを所有するのをやめ、共有財産として必要に応じてシェアしようという経済である。シェアリング・エコノミーが普及すれば、人々が何かを所有しようと躍起になり、いったん所有したらシェアしないで独り占めしようとするマインドセットを変革することになる。

 

AI・ロボットが人間が行う仕事をどんどんとやるようになる。そうして、社会の富の多くがAI・ロボットによって生み出される。人間は、そうして生み出された富を所有したいものが競うことで勝者と弱者を生み出すのではなく、共同所有にしてみんなで仲良くシェアするのである。

 

モノやコトをシェアするために、国民はいったん所有権を国に差し出し、国が共有財産として管理する。そして、必要に応じて国民が相互扶助の精神でシェアしあう社会を作っていくというわけだ。もし、国が豊かでなければ、忙しいのにそのうえ相互扶助なんてという文句が聞こえてくるかもしれないが、そもそもそんなに働かなくてもAI・ロボットの活躍で富がどんどん増えていく社会なのだから、シェアを基本とする相互扶助も抵抗なくできるはずである。財産の共有化を基本とするシェアリングエコノミーを進歩させるのがAI・ロボットなわけである。