生中継に回帰する地上波テレビ番組

ネットやSNSの台頭で、地上波テレビの存在が危機に立たされている。だが、当方の見立てとしては、地上波テレビ放送は、かつての生放送中心の姿に原点回帰していくものと思われる。

 

もともと、テレビは生放送が中心であったが、それは録画や編集の技術が未熟であったためである。だが、録画や編集は当たり前のようにできるようになった現在、リアルタイムで視聴しなければならないわけではない番組のほとんどは、オンデマンドで見たい時に見ればよいわけでもあるから、ユーチューブなどのインターネットに移行していくことは避けられない。

 

もちろん、録画機で録画をして好きな時に見るというライフスタイルは以前からあるが、そんなことをしないでもオンデマンドで同じものが楽しめるのならば、録画するだけ余計な作業になる。

 

ということで、地上波放送の存在意義は、鮮度が命のリアルタイム性に他ならない。今、何が起こっているのか知りたい、速報を知りたい、というときはやはりテレビに分がある。よって、ニュース番組を中心とした生放送が、地上波テレビの今後の活路ということになるのである。

 

テレビ受信機は、現時点ですでにパソコンのモニターとなんら変わらない、それに地上波チューナー機能を付加しただけの代物なので、これはこれでよい。

 

なので、これからは、映像を楽しむためのモニタは同じものを利用するにしても、テレビドラマやバラエティーなど、録画・編集を経るコンテンツは、すべてネット経由でオンデマンドになるだろう。

 

それで、ニュースが知りたい、速報がしりたい、スクープが知りたいというときに、同じモニタを地上波チューナーに切り替えて、ニュースやワイドショー番組を地上波で見ることになるだろう。

 

つまり、リアルタイムでないといけない生放送は地上波テレビ局が担当し、オンデマンドでよいその他のコンテンツはネット経由での配信が最適な姿であろう。