受験勉強で大切なこと2

前回のエントリーでは、難関校の入試では、特に英語や国語では、教養としての知識が得点を左右することを書いた。

 

数学の問題は若干、英語や国語の問題とは異なるが、それでも、教養という意味で重要なエッセンスがある。それは、「考えること」の重要性であり、それは、英語や国語で必要な教養とも共通している。

 

つまり、英語や国語の問題の解答に必要な教養についても、「考えること」によって身につく部分が多いからである。前回も書いたが、教養的な知識は、「知っている」ではダメで「理解している」ことが前提となる。この「理解する」を可能にするのは「考える」という作業である。情報を単に暗記するのではなく、「なぜそうなのか」「それは何を意味するのか」「他の知識とどうつながっているのか」などを「考える」ことによってはじめて、内容を「理解する」ことができるというわけである。

 

数学の問題に立ち戻って、何が高得点を可能にするのかを説明しよう。大学入試の数学のポイントは、数多くの基本的な解法パターンや数値計算の多くを「練習」によって身につけたうえで、それらをどのように活用して入試の問題を解くかというところにある。この後半部分に、考える力の差が出てくる。

 

まず、問題を見た時に、それがどのような解法パターンで成り立っているのかの「メカニズム」を「理解」し、出題者の意図を「理解」する。当然のことながら、問題のメカニズムと出題者の意図は連動している。出題者は、受験生のどの知識、どの能力を確かめたいかを念頭において作問しているからである。

 

だから、問題を見た時に、「この問題は、この単元とこの単元が組み合わせってできている。おそらく出題者は、この単元とこの単元のこういった部分が理解できているのかを試そうとしているのだろう」ということが分かる。

 

問題のメカニズムが理解できたら、どのようにして問題を解いていくのかの「見立て」ができる。ほとんどの問題が、複数の基本的な解法パターンの組み合わせなので、どのパターンをどの順番で用いていけば正解にたどり着けるかの道筋を見立てることができるというわけである。

 

見立てができたら解法の具体的な計画を立て、下書き用紙を利用して簡単に計算してあたりを付けたうえで、あとは、計算間違いに注意をして手順に従って解いてゆけばよいのである。そうすれば、難問であっても部分点を稼ぐことはできるだろう。